ファイナンシャルプランナー(FP)/生命保険の仕事はオンラインでもできるか?FP/生保オンライン営業成功の秘訣4選
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このコラムの内容
1.はじめに:ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事はオンラインでできるのか
「営業をオンライン中心にできたらいいのになあ…」
ファイナンシャルプランナー(FP)として働く皆さんの中に、こんな考えを抱えている方はいませんか? デジタル化が進む現代社会において、ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事もその波に飲み込まれつつあります。それは「オンラインでも自分の仕事がするのだろうか」という期待と不安です。
尚、未経験からFPを目指す方にFPの仕事について、下記コラムでまとめていますのでご参照ください。
【未経験でFP志望の方へ】ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事のやりがいや収入、成功する秘訣などをご紹介ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事の特性と従来の営業スタイル
従来、ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事は対面でのコミュニケーションを重視してきました。お客様の表情や身振り手振りを読み取りながら、信頼関係を築いていくのが一般的でした。生命保険や資産運用など、お客様の人生に大きく関わる提案をする以上、face to faceの対応が重要視されてきたのです。
しかし、時代は急速に変化しています。スマートフォンやタブレットの普及により、お客様の生活スタイルも大きく変わりました。他業界でもオンラインでの商談や相談が当たり前になりつつある今、ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事もオンライン営業の流れに対応する必要が出てきているのです。
ファイナンシャルプランナー(FP)のオンライン化は難しい?
それでも、オンライン化に躊躇するファイナンシャルプランナー(FP)もいます。業務提携案件なども対面である参加条件である案件もまだまだ多いのが現状です。なぜでしょうか? その理由として、以下のようなものが考えられます:
- 従来の営業スタイルへの慣れ
- オンラインでの信頼関係構築への懸念
- オンラインでの営業スキルを習得していない
- オンライン営業での勝ちパターンを教えてくれる人がいない
これらはこれまでのファイナンシャルプランナー(FP)/生命保険営業のやり方を踏まえると致し方ないと感じる部分もあります。しかし、オンライン化は避けられない流れであり、またむしろオンライン営業がうまくいくことができればチャンスもたくさん増えると考えることもできるかもしれませんね。
2. オンライン営業のメリットとデメリット
では、実際にオンライン営業にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
一度整理してみましょう。
オンライン営業のメリット
・時間と場所の効率化
オンライン営業の最大のメリットは、時間と場所の制約から解放されることです。移動時間がなくなるため、その分多くの商談をこなすことができます。また、自宅やカフェなど、好きな場所で仕事ができるのも魅力的ですね。
・マーケットの拡大
オンラインであれば、地理的な制約もなくなります。全国のお客様を相手にできるため、マーケットが大きく広がります。一日あたりの商談数も増やせるでしょう。これは、ファイナンシャルプランナー(FP)としての成長やビジネスの拡大につながる可能性を秘めています。
・働き方の柔軟性
オンライン営業は、働き方の柔軟性も高めてくれます。子育て中の方や介護を行っている方にとっては、仕事と私生活のバランスを取りやすくなるでしょう。また、体力的な負担も減るため、長く仕事を続けられる可能性が高まります。
オンライン営業のデメリット
・信頼関係構築の難しさ
一方で、オンライン営業には課題もあります。最も大きな課題は、信頼関係の構築が難しいことです。画面越しでは、お客様の微妙な表情の変化や雰囲気を読み取りにくく、心を開いてもらうのに時間がかかる可能性があります。
・コミュニケーションの制限
また、オンラインでは非言語コミュニケーションが制限されます。身振り手振りや、資料を指し示しながらの説明がしづらくなるため、より明確で論理的な説明が求められます。これは、多くのファイナンシャルプランナー(FP)にとって新たなスキルの習得が必要となる部分かもしれません。
ファイナンシャルプランナー(FP)業界におけるオンライン案件の現状
実際のところ、ファイナンシャルプランナー(FP)業界でのオンライン営業の活用はどの程度進んでいるのでしょうか? 私の経験から言えば、ある程度の活用は進んでいます。特に、新型コロナウイルスの影響もあり、ここ数年でオンライン対応への意識は高まっています。
しかし、まだまだ対面営業が主流であるのが現状です。私の感覚では、対面:オンラインの比率は約7:3といったところでしょうか。多くのファイナンシャルプランナー(FP)、ファイナンシャルプランナー(FP)に仕事を依頼する事業者が、まだ対面でのコミュニケーションを希望、重視しています。
増えつつあるオンライン案件
ただし、興味深いのは、業務提携案件などでは、オンライン面談前提のファイナンシャルプランナー(FP)相談案件も増えてきていることです。これは、お客様側のニーズの変化を反映しているとも言えるでしょう。オンライン案件をうまく活用できるようになれば、前述した通り活躍の幅は広がります。そこにはチャンスがあると言えるでしょう。
3.オンライン営業が苦手なファイナンシャルプランナー(FP)も多い理由
では、なぜファイナンシャルプランナー(FP)業界ではまだまだオンライン営業が苦手なファイナンシャルプランナー(FP)もいるのでしょうか?いくつかの理由が考えられます。
紹介営業と混同しがちなファイナンシャルプランナー(FP)が多い
最大の理由は紹介営業とのやり方を混同しているファイナンシャルプランナー(FP)が多い、という点です。ファイナンシャルプランナー(FP)業界の従来の営業スタイルでは、生命保険業界出身者が多いため自己紹介や自身の想いを伝える、人間力を押し出すといったスタイルが主流でした。また対面営業ならなんとなく”この人はいい人だ”と思ってもらえれば次回の商談に繋がりやすいという利点も確かにありました。ただし、上述してきたようなオンライン営業のメリットを享受し、オンライン営業で成果を上げていくのであれば、「紹介営業とオンライン営業はやり方が異なる」ことを明確に心に刻む必要があります。
ロジカルな提案力やコンサルティングプロセスの重要性
オンライン営業では、より論理的で分かりやすい説明が求められます。感情に訴えかけるような営業スタイルが得意なファイナンシャルプランナー(FP)にとっては、この点がハードルになることもあります。コンサルティングのプロセス自体がこれまで生命保険会社などで学んできたものと全く異なることを理解する必要があるでしょう。
気合いや人間力でこれまで勝負してきた、と言うファイナンシャルプランナー(FP)には少々ハードルが高い点もあるかもしれません。より戦略コンサルタントに近いような力が求められるので、ロジカルシンキングや問題解決のスキルが必要です。
お客様のニーズに対する誤解
「お客様は対面での相談を望んでいる」と思い込んでいるファイナンシャルプランナー(FP)も少なくありません。確かに、重要な決断をする際には対面での相談を望むお客様もいます。しかし、すべての相談で訪問を望んでいるわけではありません。むしろ、こまめな連絡やフォローを重視するお客様も多いのです。また商談においても、ヒアリングの段階、ライフプランの段階、ご提案の段階でオンラインと訪問をうまく使い分けるという方法も有効でしょう。
4. オンライン営業成功のポイント
ではファイナンシャルプランナー(FP)としてオンライン営業で成功するために必要なポイントは何でしょうか? いくつか重要な点を挙げてみましょう。
1.コンサルティングセールスの流れを熟知する
しっかりしたコンサルティングセールスを体得すれば、ファイナンシャルプランナー(FP)の世界でもオンライン活用は十分に可能です。前段でも解説しましたが、まずは”紹介営業と混同しない”ことを強く意識する必要があります。ピンときていない方もいると思うので、具体的な事例を上げると、感情や人の良さが伝わりづらいオンラインセールスでは自己紹介をはじめに熱く語ることにあまり有効性はないでしょう。担当者がいることの意義を語ることもあまりお客様に響かない可能性があります。またお客様との共通項を作って雑談で盛り上がっても時間を浪費するだけになってしまう可能性があります。オンラインでの会話は対面での会話より疲労感もあるものです。生命保険会社の初期研修で学ぶ「3つの生命保険とは?」のような話を強制的に聞いてもらってもお客様は疲れるだけの可能性があります。生命保険会社で学んできたやり方だけでは通じない可能性が高いことをまずは明確に意識する必要があります。
ではここで言う、コンサルティングセールスとはお客様がサービスや商品に興味関心を持つまでの流れをしっかり作ることです。繰り返しになりますが、人間力を押し出すと言うスタイルに依存せず、よりロジカルに、問題解決型のコンサルティングを行うと言う考え方の転換が必要です。
具体的には、
- お客様の家族構成や収入や支出、バックグラウンドなどを自然な会話の流れで引き出す
- どんな生活を送りたいのか、具体的に教育資金や老後資金はどれくらいの目標があるのかを明確にする、その目標を一緒に導き出す
- 今、やっている貯蓄や加入している生命保険の内容、またなぜそのような決定を過去にしたのか、理由を明確にしていく
- お客様の現状と理想の間にあるギャップを明確にしていく
- お客様にそのギャップは将来確実に現実化すること、それでも大丈夫なのか、今から解決をしていきたいのかをしっかり考えていただく
- お客様が解決を望んだ場合に具体的なプロセスや金融商品の活用法、資産運用の基本理論(ex.分散投資、複利の活用、ドルコスト平均法)や最新の生命保険を活用することでギャップが埋められるのか、などの方向性を明示する
- お客様がその方向性に共感を示された場合は具体的なコンサルティングや提案に進んでいく
と言うプロセスになります。これだけのことかと思っても実際にやってみるとなかなか難しい点もあるので、既にオンラインでうまく行っている人に話をチェックしてもらう、外部研修に参加することも1つの選択肢となります。コンサルティングセールスの流れは時間をかけてでも実践、改善し習得することをオススメします。
2.接触頻度を上げる
オンライン営業において、お客様との接触頻度を上げることの重要性は非常に高いです。対面営業と比べて物理的な距離感がある分、より意識的に顧客とのつながりを維持する必要があります。LINEなどのツールを組み合わせることで、効果的に接触回数を増やし、関係性を深めることができます。接触頻度を上げるために、一度に長く話をするのではなく、提案や情報提供を細かく分けることも重要です。お客様との接触頻度を増やすことで信頼感が増える、ザイエンスの法則を聞いたことがある人も多いはずです。ここで重要なことは、こうした方法も取り入れることでオンライン営業でもお客様との信頼関係は構築できる、ということです。
3.シンプルで分かりやすいプレゼンテーション
プレゼンテーションの進め方も非常に重要です。オンライン営業では資料を投影し線を引くなども可能です。くれぐれも設計書を1ページ目から棒読みのように説明することではないということに注意しましょう。
▼プレゼンテーションのポイント
- 結論から先に話す
- お客様の現状がどう変わるのかを先に話す(その時のお客様の反応を先に確認する)
- ポイントを絞って説明する
- よくある質問や懸念点について話す
詳細の説明は後日でも構いません。商品の機能について1から10まで説明して、「いかがでしょうか?」というような提案をしてもオンラインでは有効ではありません。
上記のようにポイントを絞って説明をして、次回「質問などをしていただく会」を設定することで的を絞った効果的なプレゼンと接触頻度を上げることを同時に達成することも可能です。オンラインならではのやり方、工夫が存在するということです。
4. オンラインと対面の使い分け
例えば、初回の相談やライフプラン作成はオンラインで行い、その後の提案やご契約手続きはご訪問で行う、といったやり方をするとオンライン営業のメリットを享受しつつ、お客様の安心感も担保することができます。今の世の中、デジタルの力を駆使しつつ、人間が本来持つコミュニケーションの本質も担保する、という工夫が重要です。時間効率もよくなりお客様にとってもファイナンシャルプランナー(FP)本人にとっても満足感のあるファイナンシャルプランナー(FP)サービスの提供が可能になるでしょう。
5. オンライン営業成功者の事例
筆者の周りでもオンライン営業を極め、オンライン中心の営業活動に思い切って切り替えた方が何名かいます。代表的な例を上げると、
Hさん:温泉ソムリエの資格を持つほど温泉が大好きで、全国各地の温泉と神社を巡り、その土地の地酒を楽しむことを生きがいにされています。そのため居住地も東京都から山梨県笛吹市(石和温泉が有名)に引越し、日々温泉を楽しみながらオンラインで仕事をしたり、全国各地に旅行しながらお客様とのコンサルティングも行っています。ちょっと羨ましくなりますが、Hさんはそのために1年かけてオンライン営業でうまくいく秘訣を徹底的に研究したそうです。
Tさん:Tさんも元々は長い間東京でファイナンシャルプランナーとして活動していましたが、子供の小学校進学を機に妻の実家である愛媛県に移住し、現在はオンラインを中心に活動しています。また、愛媛県は首都圏に比べ相対的にファイナンシャルプランナー(FP)の数が少ないので、実際には地域のお客様の相談も相次ぐなど思わぬメリットもあったようです。この成功サイクルに入ることができたのも"オンラインでも仕事ができる”という自信やスキルがあったことが要因と言えるでしょう。
6. まとめ
さて、ここまでファイナンシャルプランナー(FP)の仕事とオンライン化について、さまざまな角度から考えてきました。「ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事はオンラインでもできるのか?」という問いに対する答えは、はっきりとYESです。しかし、それは単に従来の仕事をオンラインに移行するだけではありません。
オンライン化は、ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事を大きく変革する可能性を秘めています。それは同時に、ファイナンシャルプランナー(FP)自身が変わる必要があることも意味しています。テクノロジーを味方につけ、お客様により良いサービスを提供する。そんな未来志向のファイナンシャルプランナー(FP)こそが、これからの時代に求められているのです。
皆さんも、ぜひこの変化をチャンスと捉え、新しい時代のファイナンシャルプランナー(FP)として活躍してみませんか? オンライン化への一歩を踏み出すことで、きっと新たな可能性が見えてくるはずです。
変化を恐れず、常に学び続ける姿勢を持つこと。それこそが、これからのファイナンシャルプランナー(FP)に最も求められる資質なのかもしれません。お客様の人生に寄り添い、より良い未来を共に描いていく。そんなファイナンシャルプランナー(FP)としての本質は、オンラインであってもオフラインであっても、決して変わることはないのです。
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今回オンライン営業についてお話を進めてきましたが、実際にオンライン営業を得意としているFP会社も世の中にはあります。オンライン営業のスキルを学ぶという点でもそういった会社に転職してみることも選択肢としては考えられるでしょう。
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