保険代理店/FP会社やIFAを設立(起業/独立)したい方へ、その魅力や具体的な手続き、転職との違い、注意点などをご紹介

公開日2024年10月25日

更新日2024年11月15日

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このコラムの内容

「将来は自分の会社を持ちたい」 「お客様のために、もっと自由に提案がしたい」 「FPの仕事に興味があるけれど、どこから始めればいいのだろう」

このような思いを持たれている方は少なくないのではないでしょうか?

実はファイナンシャルプランナーには、様々なバックグラウンドを持つ方が活躍していらっしゃいます。営業職や金融機関での勤務経験がある方はもちろん、全く異なる業界から転身して成功している方も数多くいらっしゃいます。

もしかしたら、「FPの知識がない」「営業経験がない」という不安から、一歩を踏み出せずにいる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、いきなり起業するのはリスクが高いかもしれません。しかし、適切なステップを踏んで準備を進めていけば、未経験からでも十分にチャレンジが可能な業界なのです。

またFPや保険の経験者であればFP会社や保険代理店の設立は現実的なキャリアの選択肢として可能です。

保険代理店やFP会社の設立は、独立のしやすい分野として知られています。実務経験を積んだ方であれば独自のビジネスを展開することができますし、未経験の方でも、まずは既存の代理店で経験を積みながら、将来の独立に向けて準備を進めることができます。

このコラムでは、保険代理店やFP会社の設立を考えている方に向けて、その魅力や具体的な方法、注意点などについて、実務経験を踏まえながら詳しくご紹介していきます。すでに保険業界で働いている方はもちろん、これから保険の仕事にチャレンジしたいと考えている方にも、きっと参考になる情報をお届けできると思います。


参考コラム:生命保険代理店独立のメリット・デメリットを設立経験者が詳しく解説

1. 保険代理店・FP会社の独立のメリット

1.1 独立のしやすさ

保険代理店やFP会社の設立は比較的独立がしやすいです。必要な資本金が少なく、手続きも比較的シンプルです。

特に保険代理店の場合、個人での開業も可能で、初期投資も抑えることができます。基本的な設備(事務所、通信環境、セキュリティ対策など)さえ整えれば、開業の準備は整います

また保険代理店やFP会社の魅力は、自分のペースでビジネスを展開できる点にあります。1人での個人事務所として運営することも、徐々に規模を拡大して社員を雇用することも可能です。保険商品の販売だけでなく、金融商品の提案やライフプランニングのコンサルティングなど、サービスの幅を広げることで、安定的な収益基盤を築くことができます。

お客様の人生に寄り添い、適切な保障や資産形成のアドバイスを提供することは、大きなやりがいがあります。独立することで、自分の信念やビジョンに基づいたサービスを提供できる点も、大きな魅力と言えるでしょう。

2. 保険代理店・FP会社の独立に向いている人物像

以下に保険代理店やFP会社に転職するよりも、独立した方が向いている可能性のある方を記載します。

2.1 自己実現を目指す方

一言で言えば、自分の旗を掲げたい方。「お客様にとって最適な保障を提供したい」「資産形成の在り方を変えていきたい」「自分の営業メソッドを社員にも伝えていきたい」など、明確なビジョンを持っている方は、独立することでその理想を実現しやすくなります。既存の枠組みにとらわれず、独自のアプローチで価値を提供できることは、独立ならではの醍醐味です。

2.2 自由な働き方を求める方

保険代理店やFP会社の社員として働く場合、商品の販売ノルマや決められた業務スタイルに従う必要があります。一方、独立すれば、自分の裁量で時間を使い、重視したい分野に注力することができます。ワークライフバランスを重視した働き方も可能です。

2.3 複合的な事業展開を望む方

保険代理店やFP業務は、他のビジネスと組み合わせやすい特徴があります。不動産や税務、法務、人材紹介、生活サービスの提供など関連分野との連携も可能で、お客様に総合的なサービスを提供することができます。

2.4 経営志向の強い方

会社経営には確かに責任と覚悟が必要ですが、自分で事業計画を立て、実行していく面白さもあります。チームを育成し、組織として成長していく過程にやりがいを感じる方には、独立は良い選択肢となるでしょう。自分で事業を持つ、事業を成功させる喜びは会社員では達成できない充実感もあります。

3. 保険代理店やFP会社の具体的な設立手順

3.1 保険代理店の設立プロセス

1.事前準備(1ヶ月)

  • 事業計画の策定
  • 資金計画の作成
  • 代理店契約を結ぶ保険会社の選定
  • 事務所物件の選定

事前準備段階では、特に入念な計画策定が重要です。事業計画には、最低でも3年間の収支計画を含める必要があります。保険会社との交渉時に求められることが多いためです。

資金計画については、開業後6ヶ月程度は新規契約による収入が安定しない可能性を考慮し、余裕を持った準備が必要です。一般的な目安として、事務所賃料6ヶ月分と初期費用(備品購入費、保証金など)を合わせて、最低でも100~200万円程度の資金を確保しておくことをお勧めします。

代理店契約を結ぶ保険会社の選定は慎重に行いましょう。各社で手数料体系や研修制度、サポート体制が異なります。

2.会社設立手続き(1ヶ月)

  • 定款の作成
  • 資本金の払い込み
  • 登記申請
  • 税務署への届出
  • 社会保険の手続き(従業員を雇用する場合)

会社設立時は、司法書士に依頼することをお勧めします。特に定款作成では、保険代理店として必要な事業目的をすべて網羅することが重要です。設立する会社の登記簿謄本には「生命保険の募集に関する業務」「損害保険の募集業務」と記載しましょう。また後から追加すると費用と手間がかかるため、将来的に行う可能性のある事業(ex.FP業務、不動産仲介、その他コンサルティング業務など)もあらかじめ記載しておくと良いでしょう。

資本金は法律上の最低額である1円でも可能ですが、保険会社との交渉や取引先との関係を考慮すると、最低でも100万円程度が望ましいとされています。

税務署への届出では、消費税の課税事業者となるか免税事業者となるかの判断も重要です。初年度の売上見込みによって選択を検討しましょう。

3.代理店登録(1-2ヶ月)

  • 代申会社(幹事保険会社)との交渉
  • 募集人資格の取得(未取得の場合)
  • 必要書類の準備と提出

代理店登録の過程では、特に顧客情報管理体制の整備が重要です。近年、個人情報保護の観点から審査が厳格化しており、以下の点について具体的な対策が求められます。

  • 事務所の施錠管理
  • 顧客情報の保管方法
  • PCのセキュリティ対策
  • 個人情報保護方針の策定
  • 従業員教育体制(従業員がいる場合)
  • キャビネットの有無

代申会社との面接では、これまでの経歴や販売目標やなどの確認があります。

4.実務準備(並行して実施)

  • オフィス環境の整備
  • 業務用備品の購入
  • 顧客管理システムの導入
  • 各種業務規程の整備
  • 社内規則の制定
  • 従業員の採用・教育(必要な場合)

実務準備では、特に以下の点に注意が必要です。

オフィス環境については、来客用の応接スペースと、顧客情報を扱う業務スペースを明確に分ける必要があります。自宅の一室を事務所とする場合も、プライベートスペースと完全に分離されている必要があります。

顧客管理システムは、保険会社指定のものを使用する場合もありますが、独自に導入する場合は、以下の機能を備えたものを選択しましょう。

  • 顧客情報の一元管理
  • 契約更新管理
  • アフターフォロー管理
  • コンプライアンスチェック機能

業務規程や社内規則は、以下の項目を必ず含める必要があります。

  • 個人情報保護方針
  • 苦情対応規程
  • 募集規範
  • コンプライアンス規程
  • 文書管理規程

これらの書類の雛形は保険会社からもらえることもあるので、そこまで心配する必要はありません。

3.2 IFA設立のプロセス

IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として活動するには、金融商品仲介業者を設立する必要があります。IFA法人を設立するには、次のような手順に従います。また保険代理店の設立と比べ、開業までの準備や期間を要します。IFAを始めたい場合は早めに準備をすることが大事です。

  • メインで活用したい提携証券会社を決める
  • その証券会社の説明会等に参加する
  • 個別面談で事業計画や内部管理体制等をディスカッションする
  • 金融機関と業務契約を結び、金融商品仲介業者としての登録に必要な書類を用意する
  • 管轄の財務局に提出し、内閣総理大臣に登録する
  • 日本証券業協会に金融商品仲介業者となったことを届け出し、外務員の登録を行う

IFA法人を設立するには、2名以上の外務員(内部管理責任者)やオフィス環境、一定以上の事業計画等いくつかの条件があります。また、法人設立には、証券外務員資格保有者がいること、内部管理責任者の資格保有者がいることが条件になります。提携証券会社から設立要件について事前にしっかり説明を聞くことをオススメします。

開業後は、特に以下の点について定期的なチェックと報告が必要となります。

1. 日常的な管理項目

  • 取引記録の保存(最低5年間)
  • 顧客情報の更新管理
  • コンプライアンス事項の確認
  • 従業員の業務記録管理

2. 定期的な報告事項

  • 月次の営業報告
  • 四半期ごとの業績報告
  • 年次の事業報告
  • 監査対応資料の作成

3. 教育研修関連

  • 商品知識の更新
  • コンプライアンス研修
  • 個人情報保護に関する教育
  • 新制度・規則の周知徹底

これらの管理業務は、思った以上に時間を要します。特に開業当初は、営業活動と管理業務のバランスを取ることが課題となりますので、計画的な業務配分が重要です。こちらも保険代理店の運営と比べ、負荷のかかる仕事になります。

4. 保険代理店・FP会社設立時の注意点

4.1 保険代理店の手数料

保険代理店の場合、規模によって手数料率が異なることがあります。保険会社によっては代理店の規模や販売料を問わず手数料の変わらない会社もありますが、一方で大手代理店と比べると手数料が低くなる保険会社や年間の代理店委託契約の維持基準を設定している会社もあるため、独立するべきか、独立するにしてもどの保険会社を選定するのかは重要なポイントです。

4.2 運営上の課題

独立すると、これまで会社が行っていた様々な業務を自分で処理する必要があります。もちろん一部は専門家に依頼することも可能ですが、それ自体にも金銭的、時間的なコストがかかります。

  • 経理・税務処理
  • 契約書類の管理
  • 社内の諸々の事務(ex.名刺作成、プリンター設定、書類整理)
  • 各役所への対応
  • コンプライアンス対応
  • 保険会社の監査対応
  • マーケティング活動
  • 報酬計算、給料計算、社会保険料の計算など

これらの業務に時間を取られ、本来の営業活動や顧客対応の時間が減ることも考慮に入れましょう。上述した独立したい理由にもよりますが、ただファイナンシャルプランナー(FP)として活躍してお客様に貢献したい、高い収入を得たいなどの理由であれば、独立するようりもFP会社や保険代理店に所属する方がベターかもしれません。実際このような理由で独立するよりもFP会社や保険代理店に転職する人の方が多いのも事実です。

4.3 経験・スキルの重要性

保険代理店やFP会社の設立には、一定の実務経験が求められます。特に近年は、コンプライアンスの重要性が増しており、しっかりとした業務知識と経験が必要です。

未経験での開業は困難を伴うため、まずは既存の代理店やFP会社で経験を積むことをお勧めします。

5.保険代理店/FP会社を設立(独立)を考えるならFP Wanted!に相談を

保険代理店やFP会社の設立は、決して簡単な道のりではありませんが、適切な準備と覚悟があれば十分に実現可能な選択肢です。

私自身も保険代理店を運営していた経験から、具体的なアドバイスやサポートが可能です。

例えば、独立を目指す人には以下のような相談が可能です。

  1. 代申会社はどこが良いのか
  2. 保険会社はどの会社を選べば良いのか
  3. 社員を増やしていくにはどうしたら良いのか
  4. 報酬計算や給料計算について
  5. 独立が良いのか、転職が良いのかの相談
  6. 未経験から独立を目指す場合はキャリアステップについて

独立をお考えの方は、ぜひファイナンシャルプランナーWanted!のキャリア相談をご活用ください。

FP会社/保険代理店への転職ならFP Wanted!を活用しよう

今回は代理店/IFA独立の具体的なプロセスやメリット、デメリットなどについてご説明しました。この業界での独立や転職をご検討の方はファイナンシャルプランナー(FP)転職をご検討の方はぜひご活用ください。保険代理店設立経験者として、代理店独立のカウンセリングも得意としています。

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FP Wanted!編集部

コラムを書いた人

FP Wanted!編集部

MBA (経営管理修士) / 宅建士 / FP2級

資産運用や保険相談で活躍するFPの求人・転職サイト「ファイナンシャルプランナーWanted!」を運営。業界経験者、未経験者にとって参考になるFPのお仕事情報を配信中。キャリア相談、転職相談も随時受付中。また一般の方には全国のFPの中で特に優秀なFP、専門分野に強いFPの紹介サービスも実施中です。

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