
保険代理店ってどんなところ?その定義や業務、収入、責任の範囲などについて解説
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このコラムの内容
1. はじめに:保険代理店の世界をのぞいてみましょう
皆さんは保険に加入する際、どのような方法で加入されましたか?保険会社の営業職員から加入した方、保険代理店で加入した方、はたまた来店型ショップやインターネットで加入した方など、様々なケースがあると思います。
特に、保険代理店での加入は多くの方が経験されているのではないでしょうか。街中でよく見かける保険ショップや、地域密着型の保険代理店など、私たちの身近に存在している保険代理店ですが、実は「保険代理店って何をしているの?」「保険会社の営業職員とどう違うの?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
保険代理店は、お客様と保険会社をつなぐ重要な役割を担っています。単に保険商品を販売するだけでなく、お客様のライフプランに合わせた適切な保障を提案し、長期にわたってサポートを行う、いわば「保険の専門家」としての存在なのです。
近年では、保険商品の多様化や複雑化が進み、お客様が自分に合った保険を選ぶことが難しくなってきています。そんな中で、保険代理店の役割はますます重要になってきているのです。
このコラムでは保険代理店とは何か?その定義や役割、今後求められる価値感などについて解説していきます。
2. 保険代理店の基本的な定義と役割
2-1. 保険代理店とは何か:定義と役割
保険代理店とは、保険業法に基づいて保険会社と代理店委託契約を結び、保険会社に代わって保険商品の募集を行う業者のことを指します。法律上は「保険募集人」として位置づけられ、保険会社から委託を受けて保険契約の締結の代理または媒介を行う権限を持っています。つまり、言葉の通り、保険会社の「代理」として、保険会社の人間と同じ立ち位置や責任を持って業務を行う役割を果たします。つまり、もし何かトラブルが起きた時は保険会社、保険代理店が同様の責任を負います。
主な業務内容としては以下のようなものがあります。
- 保険商品の説明と提案
- 契約締結に関する手続き
- 保険料の収納
- 契約内容の変更手続き
- 保険金請求のサポート
2-2. 保険会社と保険代理店の違い
上述の通り、保険会社の営業職員と保険代理店の募集人との間に法的責任や役割において大きな違いはありません。保険代理店が「乗合い形式」を選択している場合は取り扱える保険商品の範囲に違いがあります。保険会社の営業職員は、所属する保険会社の商品のみを取り扱うのに対し、保険代理店は複数の保険会社と契約を結び、各社の商品を取り扱うことができます。

2-3. 保険代理店に求められる責任と義務
保険代理店には、契約締結前に重要事項を説明する義務があります。具体的には、
- 保険商品の内容と仕組み
- 保険料と保険金の関係
- 契約における重要な注意事項
- 保険金が支払われない場合の条件
- 健康告知情報の確認、取得
- クーリングオフについて
などについて、分かりやすく説明する必要があります。お客様の個人情報や健康状態などのセンシティブな情報を適切に管理する責任があります。
2-4.コンプライアンス遵守
保険業法をはじめとする関連法規や規制を遵守し、適切な業務運営を行う必要があります。特に:
- 誇大広告の禁止
- 不適切な比較販売の禁止
- 利益提供による募集の禁止
- お客様のご意向把握と意向把握シートの記載
- 比較推奨書類の記載(その商品をオススメした理由を記載)
などが重要です。
3. 保険代理店の現状:データで見る業界の実態
ここでは生命保険代理店、損害保険代理店別に登録者数、店数などをみて行きます。
3-1. 生命保険代理店の数字で見る実態
生命保険代理店数は、2023年3月末時点で約28,900店となっています。その数は年々増加傾向にあり、特に複数の保険会社と契約を結ぶ乗合代理店の増加が顕著です。
(出典:一般社団法人 日本保険仲立人協会「代理店データ 2023年度版」)
3-2. 損害保険代理店の現況
損害保険代理店数は2023年3月末時点で約176,000店存在しています。その形態は個人代理店から大型チェーン店まで多岐にわたります。近年は代理店の大型化や統合が進んでおり、専業代理店の割合が増加しています。
(出典:日本損害保険協会「募集人数等統計資料 2023年版」)
3-3. 保険募集人の推移と特徴
保険を取り扱える(営業活動ができる)人のことを保険募集人と呼びます。
保険募集人の総数は以下の通りとなっています(2023年3月末時点)
- 生命保険募集人:約41万人
- 損害保険募集人:約51万人
特に生命保険分野では女性の割合が55%を超えており、年々増加傾向にあります。
(出典:金融庁「保険募集人統計調査 2023年度版」、一般社団法人生命保険協会「生命保険事業概況 2023年度版」)
3-4. 業界の課題と今後の展望
現在の主な課題として
- デジタル化への対応:オンライン申込みやペーパーレス化への移行
- 高齢化する代理店主の事業承継問題(代理店主の平均年齢は56.8歳)
- 商品の複雑化に対応できる人材育成の必要性
- コンプライアンス体制の強化
などが挙げられます。特に事業承継については、代理店主の高齢化が進む中で、業界全体での取り組みが急務となっています。
(出典:一般社団法人日本損害保険協会「代理店実態調査 2023年度」)
4. 保険代理店のビジネスモデルを解説
(参考コラム)保険代理店/FP会社やIFAを設立(起業/独立)したい方へ、その魅力や具体的な手続き、転職との違い、注意点などをご紹介
4-1. 収益の仕組み:代理店手数料
保険代理店の主な収入源は、保険契約締結時に保険会社から支払われる代理店手数料です。
- 初年度手数料:契約締結時に支払われる
- 継続手数料:契約継続中に定期的に支払われる
の2種類があります。手数料率は商品や保険会社によって異なりますが、一般的に契約者が支払う保険料の15〜25%程度と言われています。
4-2. 複数の保険会社を扱うメリット
多くの保険会社の商品を取り扱う乗合保険代理店が近年増えています。
複数の保険会社と契約することで
- お客様のニーズに合わせた商品選択が可能
- リスク分散による経営の安定化
- 保険会社との交渉力強化
といったメリットがあります。今後もこの流れは加速するものと思われます。
4-3. お客様にとってのメリット
複数の保険会社の商品を比較検討できることで、お客様にとって最適な保険選びが可能になります。また、保険料や保障内容の違いを分かりやすく説明することで、より良い選択をサポートできます。
契約後も定期的な見直し提案や保険金請求時のサポートなど、きめ細かいサービスを提供しています。地域密着型の代理店では、長期にわたる関係構築が可能です。
4-4. 保険料はどこで保険に加入しても変わらない
保険料は保険会社が設定する公平性の観点から、どの窓口で加入しても同じです。これは保険業法で定められており、代理店手数料は保険料とは別に保険会社が負担しています。

5. まとめ:保険代理店の役割と価値
5-1. お客様の安心を支える存在として保険代理店の役割
保険代理店は、単なる保険商品の販売窓口ではなく、お客様の人生に寄り添い、適切な保障を提供する専門家としての役割を担っています。複雑化する保険商品の中で、お客様に最適な選択肢を提案し、長期的なサポートを提供することで、安心な暮らしづくりに貢献しています。
今後は、デジタル化への対応やより高度な専門知識の習得、コンプライアンスの遵守など、様々な課題に直面することが予想されます。しかし、「お客様第一」という基本姿勢を守りながら、時代の変化に適応していくことで、保険代理店はこれからも私たちの生活に欠かせない存在であり続けるでしょう。
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