
【保険営業】意向把握や比較推奨をカンタンに行うAI・DXツールの具体的活用方法を紹介。保険業法改正への対応もこれで解決!
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このコラムの内容
1.保険営業・FPの現場で、こんな悩みを抱えていませんか?
「商談が終わった後の入力作業に時間がかかりすぎる」「お客様との会話に集中したいのに、メモを取るのに必死」「法改正への対応、正直どうすればいいのか不安」――保険代理店で働く皆さんの中には、こうした悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
私自身、保険業界に長く携わる中で、多くの営業担当者の方々からこうした声を聞いてきました。特に2026年の保険業法改正を控えて、意向把握や比較推奨の記録についての不安や戸惑いが広がっています。
法改正への対応とAI活用の可能性
2026年に予定されている保険業法の改正では、これまで以上に詳細な意向把握や比較推奨の記録が求められるようになります。これは保険営業の現場にとって、決して小さくない変化です。
しかし、この変化を「面倒なこと」として捉えるのではなく、「営業スタイルを見直すきっかけ」として前向きに活用できる方法があります。それが、昨今急速に普及しているAIツールの活用なのです。
保険営業には、オンライン面談だけでなく対面での商談も数多くあります。お客様のご自宅や喫茶店、オフィスなど、さまざまな場所で行われる商談の中で、どのようにAIを活用していくのか。この点が、これからの保険営業における重要なポイントになると考えられます。
今回のコラムでは、私が実際に活用しているAIツールを中心に、保険営業の現場で今日から使える具体的な方法をご紹介していきます。きっと皆さんの日々の業務を楽にし、お客様との時間をより充実したものにするヒントが見つかるはずです。
▼参考リンク
【2026年改正保険業法】「ハ」方式廃止と「ロ」方式一本化。比較推奨や意向把握の何が変わる?保険代理店は何を変えれば良いのかについて解説
【2026年改正保険業法】保険代理店で何が変わる?「ハ方式」廃止で「ロ方式」一本化、体制整備や販売手数料などのポイントを解説
2.保険代理店における顧客管理の「ダブルスタンダード」
保険営業の現場では、一見うまく回っているように見えても、実は構造的な課題を抱えているケースが少なくありません。特に顧客管理については、多くの営業担当者が「表の管理」と「裏の管理」という二重の仕組みで対応せざるを得ない状況にあります。
| 顧客管理の課題 | ポイント | |
|---|---|---|
| 1 | 二重管理の実態 | 表と裏で情報が分断 |
| 2 | 重要情報の所在 | 信頼構築は個人管理 |
| 3 | 転職時のリスク | 顧客情報が途切れる |
意向把握システムと個人管理の"ダブルスタンダード"
保険業法では、保険契約における比較推奨や意向把握について、適切な記録を残すことが求められています。これに対応するため、多くの保険代理店では専用の意向把握システムを導入しているでしょう。あるいは、紙ベースの意向把握シートを使って管理している代理店もあるかもしれません。
このシステムやシートには、お客様の個人情報や契約情報、そして法律で求められる意向把握の記録などを入力することになります。これが、いわば「表の管理」です。コンプライアンスの観点からも、会社として必ず行わなければならない管理と言えるでしょう。
一方で、特にフルコミッション系の保険代理店で働く営業担当者の場合、携帯電話も個人のものを使っているケースが多く見られます。お客様との日常的な連絡は、個人のLINEやメールで行っているという方も少なくないのではないでしょうか。
営業担当者が本当に管理している情報とは
実際の営業活動では、意向把握システムに入力する「公式な情報」だけでは不十分です。お客様との信頼関係を築き、適切な提案を行うためには、もっと細かく、もっと人間味のある情報が必要になります。
たとえば、お客様のお子さんの名前や年齢、進学先の学校。ご趣味や好きなスポーツチーム。最近あった嬉しい出来事や心配事。お誕生日や記念日。こうした情報は、意向把握システムに入力する項目としては必要ありませんが、お客様との関係を深めるためには欠かせない情報です。
多くの営業担当者は、こうした情報を個人のノートに手書きでメモしたり、スプレッドシートにまとめたり、スマートフォンのメモアプリに残したりしています。これが「裏の管理」であり、実はこちらの方が営業活動においては重要な役割を果たしているかもしれません。
こうして、お客様の個人情報や契約情報は意向把握システムで管理し、連絡先や日常的なやり取り、家族構成や趣味嗜好などの把握は個人で行うという「顧客管理のダブルスタンダード」が生まれているのです。
この状況、皆さんにも心当たりがあるのではないでしょうか。決して悪いことをしているわけではありません。むしろ、お客様により良いサービスを提供するために、自然と生まれた工夫とも言えます。しかし、この二重管理が営業効率を下げている側面があることも事実です。
転職時に起きる「顧客情報の断絶」問題
顧客管理のダブルスタンダードがもたらすもう一つの課題が、転職時の問題です。
保険業界では、キャリアアップや環境の変化などで代理店を移ることも珍しくありません。しかし、転職する際には、意向把握システムに蓄積されたお客様の情報や契約情報は、基本的に転職先に持ち出すことができません。これは当然のことで、情報管理の観点からも必要なルールです。
その結果、何が起きるでしょうか。長年かけて築いてきたお客様との信頼関係や、丁寧に記録してきた契約の経緯、お客様のニーズの変化など主に意向把握システムに入力していた情報が、すべて途切れてしまうのです。
もちろん、個人のノートやスプレッドシートに記録していた情報は持ち出せるかもしれません。しかし、公式システムに蓄積されていた詳細な契約情報や意向把握の記録は失われてしまいます。これは営業担当者にとっても、お客様にとっても、決して望ましい状況ではありません。
この問題の根本には、やはり「表の管理」と「裏の管理」が分断されているという構造があります。では、この課題にどう向き合えばいいのでしょうか。その答えの一つが、後ほどご紹介するAIツールの活用にあると考えています。
3.意向把握・比較推奨記録の「面倒くささ」の正体
顧客管理のダブルスタンダードと並んで、保険営業担当者を悩ませているのが、意向把握や比較推奨の記録作業です。「法律で決まっているから仕方ない」と分かっていても、やはり負担に感じている方は多いのではないでしょうか。
金融庁が求める記録義務の実務負担
保険業法では、お客様に保険商品を提案する際、適切な意向把握と比較推奨を行い、その内容を記録することが求められています。具体的には、以下のような項目を記録する必要があります。
まず、意向把握においては、お客様がどのような目的で保険への加入を検討しているのか、現在どのような保険に加入しているのか、どのようなリスクに対して備えたいと考えているのか、当初からお客様のご意向がどのように変化したのかといった情報を丁寧に聞き取り、記録しなければなりません。
また、比較推奨においては、お客様のニーズに対してどのような商品を提案したのか、その商品を選んだ理由は何か、他にどのような商品と比較検討したのか、それぞれの商品の特徴やメリット・デメリットをどう説明したのか、といった内容を文書化する必要があります。
さらに、お客様がどの商品を選択されたのか、その選択理由は何だったのか、といった情報も記録として残すことが求められます。
これらの記録は、お客様保護の観点から非常に重要なものです。万が一トラブルが発生した際にも、適切な説明を行ったことを証明する根拠になります。
法令遵守は難しくない、でも「時間がかかる」
実は、こうした記録を残すこと自体は、それほど難しいことではありません。保険営業担当者の皆さんは、日々の商談の中で、お客様のニーズを聞き取り、適切な商品を提案し、丁寧に説明を行っているはずです。つまり、やるべきことは既にやっているのです。
問題は、これらの内容を後から文章にして、システムに入力するという作業に、時間がかかるという点にあります。
商談中は、お客様との会話に集中しています。メモを取る余裕があればいいですが、お客様の表情を見ながら、反応を確かめながら話を進めていると、細かいメモまで取れないこともあるでしょう。
そして商談が終わった後、記憶を頼りに意向把握システムに入力していくわけですが、「お客様は何とおっしゃっていたっけ?」「どういう流れで話が進んだっけ?」と思い出しながらの作業になります。これが想像以上に時間がかかるのです。
2026年改正で廃止される「ハ方式」が楽だった理由
2026年の法改正では、これまで認められていた「ハ方式」という簡易な記録方法が廃止される予定です。ハ方式について詳しくない方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単に説明しましょう。
ハ方式では、比較推奨を行う際に、あらかじめ用意された比較推奨シートの「当社の推奨」といったチェック欄にチェックを入れるだけで、記録義務を果たすことができました。非常にシンプルで、営業担当者にとっては負担の少ない方法だったと言えます。
しかし、新しい方式では、このようなチェックボックス形式では不十分とされ、より詳細な記録が求められるようになります。なぜその商品を推奨したのか、お客様のどのようなニーズとマッチしたのか、といった内容を具体的に文章で記録する必要があるのです。
現場の営業担当者からすれば、「やることは同じなのに、記録の手間だけが増える」と感じるのも無理はありません。ハ方式の廃止は、コンプライアンスの観点からは必要な変更かもしれませんが、実務上の負担が増すことは間違いないでしょう。
4.これからの保険営業/FPに不可欠な「AI活用力」
意向把握システムへの入力負担、顧客管理のダブルスタンダード――これらの課題に対する解決策として、今注目されているのがAIの活用です。ただし、AIを使えば全てが解決するわけではありません。保険代理店の現場に即した、現実的な活用方法を考える必要があります。
顧客管理のダブルスタンダードは今後も続く
正直に申し上げると、私は顧客管理のダブルスタンダードという状況は、今後もしばらく続くだろうと予測しています。
なぜなら、保険代理店のビジネスモデル、特にフルコミッション型の営業スタイルでは、営業担当者の個人的な関係性や動きやすさが非常に重要だからです。会社のシステムだけで全ての顧客情報を管理するというのは、理想論としては分かりますが、実務上はなかなか難しい面があります。
お客様との日常的なやり取りを全て会社のシステム経由で行うというのは、現実的ではありません。LINEで気軽にメッセージを送ったり、電話で近況を聞いたりといった、フレキシブルなコミュニケーションが、保険営業やファイナンシャルプランナーの仕事では大切な要素になっているからです。
また、営業担当者にとっても、自分なりの方法でお客様情報を管理したいというニーズがあります。システムに入力されている硬い情報だけでなく、お客様との会話の中で得た温かみのある情報を、自分の言葉で記録しておきたいと思うのは自然なことでしょう。
ですから、「表の管理」と「裏の管理」を一本化しようとするのではなく、この状況を前提として、いかに効率的に両方の管理を行えるかを考える方が現実的だと思います。
効率化と法令遵守を両立させる鍵
では、どうすれば効率的に顧客管理と記録作業を行えるのでしょうか。
ポイントは、一つの行為から複数の成果物を生み出すということです。つまり、お客様との商談という一つの行為から、「法律で求められる意向把握・比較推奨の記録」と「自分にとって重要な顧客情報のメモ」の両方を効率的に作成できる仕組みを作ることです。
従来の方法では、商談が終わった後に、それぞれ別々の作業として記録を作成していました。まず意向把握システムに必要な情報を入力し、それとは別に個人のノートに顧客情報をメモする、という具合です。
しかし、商談の内容を何らかの形で完全に記録できれば、その記録を元に、法的に必要な記録も、個人的なメモも、両方を効率的に作成できるはずです。この「商談内容の完全な記録」を実現するのが、この後紹介するAIボイスレコーダーなのです。
5.意向把握・比較推奨に最適なAIボイスレコーダーとは
ここまで、保険営業における課題と、AI活用の必要性についてお話ししてきました。では、具体的にどのようなAIツールを、どう活用すればいいのでしょうか。ここからは、実践的な内容に入っていきます。
AIボイスレコーダーで保険営業・FP業務を効率化!
私が最もおすすめしたいAI活用法は、「AIボイスレコーダー」の活用です。AIボイスレコーダーとは、音声を録音するだけでなく、その内容を自動で文字起こしし、さらに指定した形式で要約・整理してくれるデバイスのことです。
従来のボイスレコーダーは、音声を記録するだけでした。後から聞き直すことはできますが、それを文字にするには自分で聞きながらタイピングする必要があり、かえって時間がかかってしまいます。
しかし、AIボイスレコーダーは違います。録音した音声を自動的にテキスト化し、さらに「意向把握に必要な情報をまとめて」「比較推奨の内容を整理して」といった指示(プロンプト)に従って、必要な形式で情報を整理してくれるのです。
この機能を使えば、商談中はお客様との会話に集中するだけで、後からAIが整理してくれた内容を意向把握システムにコピー&ペーストするだけで記録作業が完了します。もちろん、細かいニュアンスの調整は必要ですが、ゼロから文章を作成するのに比べれば、作業時間は圧倒的に短縮されます。
そして重要なのは、このAIボイスレコーダーは、対面営業でもオンライン営業でも活用できるという点です。オンライン商談であれば録画や画面共有の記録を残すこともできますが、お客様のご自宅や喫茶店での対面商談では、そうした記録方法は使えません。しかし、小型のAIボイスレコーダーであれば、どんな場所でも自然に使用できるのです。
まだ1割しか使っていない実情
AIボイスレコーダーがこれほど便利なら、もう多くの営業担当者が使っているのではないか、と思われるかもしれません。しかし、実はまだまだ普及していないのが現状です。
私は2025年秋時点で、約20名のFPや保険営業担当者、ファイナンシャルプランナーに対してヒアリング調査を行いました。その結果、AIボイスレコーダーを実際に活用しているという方は、わずか1割程度だったのです。
もちろん、AIという言葉自体は誰もが知っていますし、ChatGPTなどのサービスを使ったことがあるという方も多くいらっしゃいました。しかし、実際の営業現場で、日々の業務にAIを組み込んで活用しているという方は、まだ少数派なのです。
どのように商談内容がテキスト化されるのか
AIボイスレコーダーの仕組みを、もう少し詳しく見ていきましょう。
まず、商談中にAIボイスレコーダーが全ての会話を録音します。お客様の発言も、自分の説明も、全てです。そして商談が終わった後、アプリを開くと、録音された音声が自動的に文字起こしされています。
この文字起こしは、単に音声をテキストにするだけではありません。誰が何を話したのかを区別し、会話の流れが分かる形で整理されています。ですから、商談のどの場面でお客様がどんな反応をされたのか、どの順番で説明を行ったのか、といったことが後から正確に確認できるのです。
従来の方法では、商談中に慌ててメモを取っても、重要なポイントを聞き逃してしまったり、お客様の表情を見逃してしまったりすることがありました。また、記憶だけを頼りに後から記録を作成しようとすると、細かい部分が曖昧になってしまうこともあったでしょう。
しかし、AIボイスレコーダーを使えば、商談の内容が完全に記録として残ります。これは単に記録作業が楽になるというだけでなく、「完全な商談記録」を持てるということに大きな価値があります。
たとえば、後日お客様から「あの時、こういう話をしましたよね」と言われた際にも、正確な記録を確認できます。また、上司や同僚に商談内容を共有する際にも、正確な情報を伝えることができます。さらには、自分自身の営業トークを見直して改善点を見つけるという、スキルアップにも活用できるのです。
6.筆者がオススメする「Plaud NotePin」とは

※公式HPの写真引用
さて、ここからは私が実際に使用しているAIボイスレコーダー「Plaud NotePin」について、詳しくご紹介していきます。
Plaud NotePinの特徴
Plaud NotePinの最大の特徴は、そのコンパクトさと使いやすさです。手のひらに収まるほど小さく、重さもわずか数グラム。持ち運びに全く負担がありません。
デザインも洗練されていて、時計のように手首に装着したり、ペンダントのように首からかけたり、クリップで胸ポケットに留めたりと、さまざまな使い方ができます。一見するとアクセサリーのように見えるので、商談の場でも違和感がないんです。
「録音機器を目の前に置かれると緊張する」というお客様もいらっしゃいますよね。でも、Plaud NotePinなら自然に身につけていられるので、お客様に余計なプレッシャーを与えることなく、リラックスした雰囲気で商談を進められます。
バッテリーの持ちも優れていて、1回の充電で数時間の連続録音が可能です。1日に複数の商談がある日でも、バッテリー切れの心配はほとんどありません。
また、音質も非常にクリアです。カフェなどの少し騒がしい場所での商談でも、しっかりと音声を拾ってくれます。オンライン商談の場合は、スマートフォンやパソコンの近くに置いておけば、画面越しの会話もしっかり録音できますよ。
保険営業・FP業務での活用メリット
Plaud NotePinが保険営業で特に役立つのは、「プロンプト」という機能です。これは、AIに対して「どのように内容をまとめてほしいか」を事前に指示できる機能です。
例えば、意向把握のために必要な項目をプロンプトに設定しておけば、AIは商談内容からその項目に関連する部分を自動的に抽出して、整理してまとめてくれます。
具体的には、こんな項目を設定できます。
- お客様が保険に求めているもの(死亡保障、医療保障、貯蓄性など)
- 現在の家族構成とそれぞれの年齢
- お子様の進学予定や住宅購入の予定など、将来のライフイベント
- 現在加入されている保険の内容
- 月々の保険料予算
- 提案した商品とその理由
- お客様が特に関心を示された点
- 次回までに確認が必要な事項
これらの項目をプロンプトに設定しておくと、AIが商談内容を分析して、それぞれの項目に対応する内容を自動的に整理してます。
商談後にアプリを開き生成ボタンを押すと整理されたテキストが作成されます。それを確認して、ニュアンス的な部分や補足が必要な箇所だけを編集します。ゼロから文章を書くのに比べると、作業時間は10分の1以下になるでしょう。
しかも、AIがまとめてくれた内容は、お客様との会話に基づいているので、説得力があります。「お客様はこうおっしゃっていた」という事実に基づいた記録になるため、比較推奨の理由も明確に示せるかもしれません。
もちろん、AIが完璧にまとめてくれるわけではありません。お客様の微妙なニュアンスや、言葉にならなかった雰囲気などは、自分で補足する必要があります。でも、骨組みをAIが作ってくれるだけで、作業効率は劇的に改善されます。
商談内容の正確な記録
AIボイスレコーダーを使い始めて実感したのは、「記録の正確さ」です。
これまで商談中は、メモを取りながらお客様の話を聞いていました。でも、正直なところ、お客様の話を聞きながら重要なポイントをメモするのって、結構難しい点があります。メモに集中すると会話がおろそかになるし、会話に集中するとメモが追いつかない。
また、自分なりに要約してメモを取るので、お客様が実際に言った言葉とは少し違う表現になってしまうこともありました。後から「お客様はこう言っていたかな?」と不安になることもありました。
Plaud NotePinを使えば、お客様との会話が全て記録されます。お客様が実際に話された言葉が、そのまま残せます。「お客様がこう希望されていたから、この商品を提案した」という記録を作る際に、お客様の実際の言葉を引用できるのは大きな強みです。記録の信頼性が格段に上がります。
さらに、聞き漏らしや記憶違いを防げるのも大きなメリットです。商談から数日経ってから記録を作ろうとすると、「あれ、お客様は月々の予算をいくらとおっしゃっていたかな?」と不安になることがありますよね。でも、録音があれば、いつでも確認できます。
「ASK Plaud」機能で過去の情報を即座に確認
Plaud NotePinには「ASK Plaud」という、とても便利な機能があります。これは、録音した内容に対して質問ができる機能です。
例えば、お客様と2回目の商談をする前に、「山田さんのお子さんの名前は何だったかな?」と思ったとします。通常なら、前回の商談記録を探して、じっくり読み返す必要がありますよね。
でも、ASK AI機能を使えば、「山田さんのお子さんの名前は?」と質問するだけで、AIが過去の録音内容から該当する情報を見つけて教えてくれます。まるで、超優秀なアシスタントがいつも隣にいてくれるような感覚です。例えば、お客様の趣味や家族の話題、以前話した将来の夢など、細かい情報を瞬時に確認できます。
2回目以降の商談や数年後のフォロー面談などで「前回、お子さんが野球を始めたとおっしゃっていましたよね」と自然に話題に出せると、お客様は「ちゃんと覚えていてくれたんだな」と嬉しく感じてくださいます。こうした小さな積み重ねが、お客様との信頼関係を深めていくことは周知の事実ですよね。
Plaud NotePin以外の選択肢
ここまでPlaud NotePinについて詳しくご紹介してきましたが、実は同様のサービスは他にも存在します。
代表的なものが「Notta」です。Nottaもまた、音声を文字起こししてまとめてくれるサービスで、多くのビジネスパーソンに使われています。他にも、さまざまなAIボイスレコーダーやAI文字起こしサービスが登場しています。それぞれに特徴があり、料金プランや機能も異なります。
大切なのは、「自分の営業スタイルに合ったツールを選ぶこと」です。対面営業が多いのか、オンライン営業が多いのか。月に何件くらいの商談があるのか。どんな機能を最も重視するのか。こうした点を考えて、自分に合ったツールを選んでください。
7.Plaud NotePin購入や設定、操作方法
| Plaud NotePin活用ステップ | ポイント | |
|---|---|---|
| 1 | 購入・初期設定 | 本体+アプリを連携 |
| 2 | 操作方法 | 録音・要約はアプリ操作 |
| 3 | プロンプト設定 | 営業用にAI指示を最適化 |
| 4 | 商談での使い方 | 録音→自動要約→貼り付け |
購入方法、料金について
それでは、Plaud NotePinを実際にどう使うのか、具体的な手順をご紹介していきます。
大前提として、ボイスレコーダー本体とスマートフォンアプリを連携して使うと言う基本構造を理解しておきましょう。
それではまず、Plaud NotePinの購入についてです。公式サイトやAmazonで購入できます。
製品ラインナップはシンプルで、Plaud NotePin本体と、いくつかのアクセサリーオプションがあります。本体価格は約27,000円前後です。
追加で、クリップ式のホルダーやネックレスチェーン、リストバンドなど、さまざまな装着方法に対応したアクセサリーも購入できます。私は最初、クリップ式で使い始めましたが、慣れてきたらリストバンド式も試してみました。商談のスタイルに合わせて使い分けられます。
次に、スマートフォンに専用アプリをダウンロードします。App StoreまたはGoogle Playで「Plaud」と検索すれば、公式アプリが見つかります。アプリは無料でダウンロードできます。
アプリをインストールしたら、Plaud NotePinとスマートフォンをBluetooth接続します。アプリの指示に従って進めれば、5分程度で接続完了です。特別な技術的知識は必要ありません。スマートフォンが使える方なら、誰でも簡単に設定できますよ。
アカウント登録も必要です。メールアドレスとパスワードを設定するだけなので、こちらも難しくありません。
そしてもう一つ、重要なのがサブスクリプションプランの購入です。Plaud NotePinには無料プランと有料の「Unlimited Plan」が用意されています。無料プランでも基本的な録音とテキスト化は可能ですが、月間の録音時間に制限があります。具体的には月300分までという上限が設けられており、保険営業で日常的に活用するには、正直なところ少し物足りないと感じるかもしれません。
一方、Unlimited Planに加入すると、月間の録音時間が無制限になるだけでなく、より高度なAI機能も利用できるようになります。料金は月額プランで約4000円、年額プランだと約40,000円となっており、年額プランの方がお得な設定です。
操作方法
本体にも録音ボタンを付いてますが、基本的な操作はスマートフォンアプリからおこないます。つまり、録音開始、要約の指示、ようやくサマリーの抽出などが全てスマートフォンで完結する仕組みになっています。
スマートフォンアプリに録音ボタンや要約の指示をする生成ボタン、ファイルのエクスポートボタンや録音を聞くボタン等がすべて設置されています。
スマートフォンアプリから録音を開始商談が終了したら、録音を終了しファイルを保存します。そこからAIで予約したサマリーを作りたいときは生成ボタンを押します。この際にどのプロンプトに従ってファイルを要約するかを選択して要約を開始します。
保険営業用プロンプトの設定
初期設定が完了したら、次は「プロンプト」の設定です。これが、Plaud NotePinを保険営業で活用する上で最も重要なポイントになります。
プロンプトとは、AIに対して「録音した内容をどのようにまとめてほしいか」を指示する設定です。アプリの設定画面から、自由にカスタマイズできます。
スマートフォンアプリの「設定」からテンプレートコミュニティー→米ワークスペース→テンプレートを作成で独自のテンプレートを作成することができます(2026年1月現在)。
プロンプト例:意向把握用
事例ですが、意向把握用には以下のようにカスタマイズしたプロンプトを作成します。
▼プロンプト例
以下の項目に沿って、商談内容を整理してください。
1. お客様の基本情報
- お名前、年齢、ご職業
- 家族構成(配偶者、お子様の有無と年齢)
2. 現在の保障状況
- 加入中の保険の種類と保障内容
- 月々の保険料
3. お客様のニーズと不安
- 保険に求めているもの(死亡保障、医療保障、貯蓄など)
- 現在の保障に対する不安や不満
- 将来のライフイベント(住宅購入、お子様の進学など)
4. 予算
- 月々の保険料予算
5. 重視される点
- 保障内容、保険料、保険会社の信頼性など、何を最も重視されているか
6. その他
- 趣味や関心事
- 次回までに確認が必要な事項
7.(面談が複数回の場合)前回の面談時から必要と感じる保障や考えに変化があったかどうか。変化がある場合は何が変わったのかを記載
プロンプト例:比較推奨用
以下の項目に沿って、商談内容を整理してください。
1. お客様の意向の確認
- お客様が希望された保障内容
- 重視されているポイント
2. 提案した商品
- 商品名と保険会社名
- 主な保障内容
- 保険料
3. 推奨理由
- なぜこの商品を提案したのか
- お客様のニーズとどう合致するのか
- 他の商品と比較した際の優位性
-商品のリスクの説明や内容
4. お客様の反応
- 提案に対してお客様がどう反応されたか
- 関心を示された点、懸念を示された点
-最終的にこの商品を選ばれた理由
-商品のリスク説明に対する理解
これらはあくまで例です。ご自身の営業スタイルや、所属する代理店で使っている意向把握システムの項目に合わせて、カスタマイズしてください。
プロンプトは一度設定すれば、毎回の商談で使い回せます。もちろん、商談のタイプ(初回面談、提案、契約手続きなど)に応じて、複数のプロンプトを作っておくこともできます。
商談での実践的な使い方(例)
さて、プロンプトの設定ができたら、いよいよ実際の商談で使ってみましょう。
商談前に、Plaud NotePinを身につけます。クリップで胸ポケットに留めたり、リストバンドで手首に装着したりします。お客様との商談が始まる直前に、デバイスのボタンを押して録音を開始します。
ここで大切なのが、お客様への説明です。録音することをお客様に伝えずに録音するのは、信頼関係を損ねる可能性がありますし、倫理的にも問題があります。
例えば以下のようにお伝えしてみましょう。
「○○様、より正確に記録させていただき、後日最適なご提案をさせていただくため、またトラブル防止のために、今日のお話を録音させていただいてもよろしいでしょうか。もちろん、記録は私が責任を持って管理いたしますし、○○様のプライバシーは厳重に保護いたします。」
こう説明すると、ほとんどのお客様は快く承諾してくださいます。むしろ、「きちんと記録してくれるんだな」と好印象を持っていただけることも多いんですよ。
もし、お客様が録音を望まれない場合は、無理強いせず、従来通りメモを取る方法に切り替えましょう。お客様の意向が最優先です。
録音を開始したら、あとはいつも通り商談を進めるだけです。メモを取る必要がないので、お客様の表情や反応にしっかり集中できます。これまでよりも、お客様とのコミュニケーションが深まることを実感できるはずです。
商談が終わったら、録音を停止します。デバイスのボタンを押すだけです。
その後、Plaud NotePinはスマートフォンと自動的に同期して、録音データをアップロードします。AIによる文字起こしと、プロンプトに基づいた整理が自動的に始まります。
処理時間は録音の長さによりますが、60分の商談なら5〜10分程度で完了します。商談直後にカフェで少し休憩している間に、もう結果が確認できるんです。
アプリを開くと、商談内容がきれいに整理されたテキストが表示されています。それを読んで、ニュアンスが違う部分や、補足が必要な箇所を編集します。
編集が終わったら、テキストをコピーして、意向把握システムにペーストするだけ。これで記録作業は完了です。
8.顧客管理のダブルスタンダード問題も解決
AIボイスレコーダーを使うことで、最初にお話しした「顧客管理のダブルスタンダード」問題も、かなり改善されます。
従来は、法定記録のための情報は意向把握システムに、お客様との人間関係を深めるための情報は個人のノートやスプレッドシートに、と分けて管理する必要がありました。でも、AIボイスレコーダーなら、一度の録音で両方の記録や作業が実質的にできます。
プロンプトを工夫すれば、意向把握や比較推奨に必要な公式な記録と、お客様の趣味嗜好などの個人的な情報を、同時にまとめられます。例えば、プロンプトに「お客様の家族構成と趣味」という項目を追加しておけば、AIが会話の中からそうした情報を抽出してくれます。
公式な記録として必要な部分は意向把握システムにコピー&ペーストし、お客様との関係性を深めるための情報はAIボイスレコーダーに保管できます。情報源は一つなので、整合性も保たれますし、効率も大幅に向上します。
これで転職時の顧客情報の断絶問題についても、一定の解決策になります。意向把握システムの情報は転職先に持ち出せませんが、AIボイスレコーダーの録音データは個人のものです。もちろん、お客様の同意や情報管理には十分な配慮が必要ですが、お客様との会話の記録があれば、転職後も関係性を継続しやすくなるでしょう。
法改正は「チャンス」にもなり得る
2026年の保険業法改正、特にハ方式の廃止については、多くの営業マンにとって「また手間が増える」と感じられるかもしれません。実際、これまで以上に詳細な記録が求められることになるでしょうし、対応に追われる日々になる可能性もあります。
でも、少し視点を変えてみると、この法改正は大きなチャンスとも捉えられるのではないでしょうか。
今回ご紹介したようなAIツールを早期に導入し、使いこなせるようになった営業マンは、法改正後の新しいルールに、よりスムーズに適応できるはずです。さらに言えば、より詳細な記録を残すということは、お客様一人ひとりへの理解が深まるということでもあります。過去の会話の内容を正確に覚えていて、適切なタイミングで適切な提案ができる営業マンは、お客様からの信頼も厚くなります。法改正を、お客様との関係をより強固にする機会と捉えることもできるのではないでしょうか。
これからの保険営業マン・ファイナンシャルプランナーに求められること
これからの時代、保険営業マン・ファイナンシャルプランナーに求められるのは、法令遵守と生産性向上の両立です。どちらか一方だけではなく、両方を同時に実現していく必要があります。
そのために不可欠なのが、テクノロジーを味方につける柔軟性ではないでしょうか。AIやデジタルツールに対して、「難しそう」「自分には使いこなせない」と距離を置くのではなく、「まずは試してみよう」「少しずつ慣れていこう」という姿勢が大切になってきます。
幸い、最近のAIツールは、専門的な知識がなくても使えるように設計されているものが多くなっています。Plaud NotePinも、基本的な操作はとてもシンプルです。スマートフォンが使える方なら、誰でも活用できると言っても過言ではありません。
そして何より忘れてはならないのは、こうしたツールはあくまで「手段」であって「目的」ではないということです。AIを使うことそのものが目的になってしまっては、本末転倒でしょう。
本当の目的は、お客様との信頼関係を築き、お客様の人生に寄り添った最適な保障を提供することです。AIツールは、その目的を達成するために、私たちの時間を生み出し、より質の高い対話を可能にしてくれる存在なのです。
記録作業に費やしていた時間を、お客様との会話に使う。システム入力に追われていた夜の時間を、明日の提案資料を磨くことに使う。あるいは、家族との時間を持つことで、リフレッシュして翌日の営業に臨む。AIの活用は、保険営業という仕事の本質に立ち戻る機会を与えてくれるのかもしれません。
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