FP会社や生命保険代理店で活用される業務提携案件やリーズとは何か。代表的なものやそのメリット・デメリットをご紹介

公開日2024年10月03日

更新日2024年11月15日

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このコラムの内容

1. 業務提携案件やリーズの重要性

ファイナンシャルプランナー(FP)や生命保険営業の方にとって、お客様を自分で開拓することは簡単ではありません。もちろん、個人で顧客を増やし続けられることが最善ではありますが、新規顧客の発掘や既存顧客との関係強化を続ける中で、個人で全てを行うのは時として限界があることもあります。例えば、体調を崩して1ヶ月営業活動ができないことで半年後の売上予測が目標を下回ったり、見込み顧客開拓に苦戦するような時もあります。そのような中、近年注目を集めているのが「業務提携案件」や「リーズ」です

業務提携案件やリーズは、ファイナンシャルプランナー(FP)業界や生命保険代理店での営業活動を補完する手段として、さまざまな場面で活用されています。特に、時間やコストを抑えながら効率的にお客様とつながる手法として多くのFPが利用しています。この記事では、これらの案件の具体的な内容、メリット・デメリット、そしてうまく活用するためのポイントについてご紹介します。このようなスキームを導入しており、未経験の方でも入社できる会社もありますので、ぜひキャリアプランニングの参考にしてください

2. 業務提携案件やリーズとは?

まずは、「業務提携案件」と「リーズ」を理解するところから始めましょう。これらはどちらも集客手法の一つですが、方法やアプローチには違いがあります。

(1)業務提携案件(共同募集案件)

業務提携案件とは、FP会社や生命保険代理店が他の企業と提携し、お金全般の相談(FP相談)や生命保険の相談を提供するスキームのことです。「共同募集案件」と呼ばれることもあります。

一般的には、クレジットカード会社、通販会社など、お客様情報を大量に保有している企業が、既存のお客様に対してFPや保険相談サービスを紹介します。例えば、通販会社のお客様が、コールセンターを通じてFP相談を案内された場合、お客様が興味を示せば、その後FP会社や生命保険代理店に所属するファイナンシャルプランナーが相談を担当することになります。これにより、FPは新しいお客様とつながることができ、効率的にビジネスを展開できます。

お客様にとっても、タイミングよく提案を受けることで、保険の見直しやお金に関する相談が手軽に行えるというメリットがあります。特に、お金もかからず、自身でFP会社を探す手間が省けるため、手軽さが大きな魅力です。近年FP会社や生命保険代理店を中心に業務提携案件は増えている傾向にあります。

(2)リーズ案件

リーズ案件とは、案件集客に特化した会社が、インターネットやSNSを通じて見込み顧客を集め、その後FP会社や生命保険代理店とマッチングさせる手法です。リーズ会社は、主にオンライン広告を活用し、「お金に関する相談をしたい」「保険を見直したい」という潜在的なお客様を集めてきます。(他の業界では見込み顧客集客のことを「リード」と呼びますが、なぜかFP業界、保険業界では「リーズ」と呼ばれています。)

この方法の利点は、FPが自ら広告を出さなくても、リーズ会社が適切なお客様を集めてくれる点です。リーズ案件は、個人の営業活動の補完としても使えるため、既存の営業スタイルにプラスする形で柔軟に取り入れることができます。

3. 業務提携案件やリーズを活用する効果

では、これらの手法をどのように活用すると効果的なのでしょうか?ここでは、具体的な事例や成功のポイントについて解説します。

営業活動の補完としての役割

業務提携案件やリーズは、FPにとって営業活動を補完する大きな役割を果たします。たとえば、個別に営業を行っていると、月によっては集客が十分にできないことがあります。そのような状況下で、業務提携案件やリーズを数件追加することで、相談顧客の数を確保し、安定した営業活動が可能になります。

このように、これらの手法は、自身の営業活動を支えるための有効なツールとなり、目標を達成するための強力な補完策として機能します

業務提携やリーズを主軸にする選択肢

また、業務提携案件やリーズを主軸に据えて活動することも可能です。実際に、これらの手法を活用し、生計を立てているファイナンシャルプランナー(FP)や生命保険営業も少なくありません。中には、これだけで年収2000万円を超えるファイナンシャルプランナー(FP)も存在します。

さらに、業務提携案件やリーズを基盤にしつつ、自身の営業活動をプラスアルファで上乗せすることで、さらなる売上を達成することも可能です。このように、フレキシブルな営業活動を実現できる点は、大きな魅力です。

自由なライフスタイルの実現

業務提携案件やリーズを活用することで、リモートワークも可能になり、時間や場所に縛られない働き方が実現します。特に、地方移住を希望するファイナンシャルプランナー(FP)にとっては、これらの手法が重要なサポートとなります。地域に関わらず安定して仕事を得られるため、FPのライフワークバランスの向上に寄与します。オンラインの業務提携案件やリーズ案件で成果をあげられる自信がついたらより自由なライフスタイルを実現できるかもしれません

4. 業務提携案件/リーズ案件のメリット・デメリット

次に、業務提携案件やリーズのそれぞれのメリットとデメリットについて詳しく見ていきます。

業務提携案件(共同募集案件)のメリット

業務提携案件には、以下のようなメリットがあります。

  • 初期費用がほぼ不要
  • 通常、業務提携先が広告や顧客獲得のコストを負担してくれるため、ファイナンシャルプランナー(FP)としての初期費用はほとんどかかりません。
  • 商談やお客様フォローに集中できる
  • 集客や顧客開拓の手間が省けるため、FPは商談やアフターフォローに専念することができます。シンプルに商談数を増やせます。
  • 実力のあるFPは安定して顧客を獲得可能
  • 高い成約率や顧客満足度を持つFPであれば、業務提携先からの依頼が集中し、継続的に顧客を確保できます。

業務提携案件(共同募集案件)のデメリット

一方で、デメリットも存在します。

  • 売上の折半
  • 業務提携先との売上を折半するため、実際の収益は全額受け取れないことが一般的です。集客費用を業務提携先が負担してくれている分、成約時の報酬も少なくなるということです。
  • 成約率が求められる
  • 提携先から高い成約率や顧客満足度を求められるため、成果を出すプレッシャーが常にあります。業務提携先は集客費用を負担しており、また利益率をあげていく目標を持っているので、成果の出せるFPに仕事を依頼したいという動機が働きます。
  • 案件ごとのルールやスケジュール調整が必要
  • 提携案件は、あらかじめ決められたルールやスケジュールに従う必要があり、自由度が制限される場合があります。事前に相談可能ということで提出した時間枠は数日前まではプロテクトしておく必要があり、他の予定を入れられないこともあります。(ただしこれは案件によります。お客様とFPでスケジュール設定できる業務提携案件もたくさんあります。)

リーズ案件のメリット

リーズ案件には、以下のメリットがあります。

  • 売上の折半が不要
  • 業務提携案件と異なり、リーズは自らの顧客対応に対する売上を全額受け取れるため、成約時の報酬が高いです。
  • 自由度が高い
  • お客様とのやり取りが自由であり、制約が少ないため、自分のペースで商談や営業活動が行えます。お客様をフォローする中で、例えば追加契約やご紹介が発生してもリーズ会社に報告する必要などは特にありません。また所属しているFP会社や生命保険代理店を退職することがあっても自分でリーズ会社から紹介してもらったお客様であれば、新しい職場に契約移管などが可能です。長期目線でお客様をフォローしやすいと言えます。

リーズ案件のデメリット

リーズ案件にもデメリットがあります。

  • 初期費用が発生する
  • 集客をリーズ会社に依頼するため費用がかかります。商談がうまくいかない場合でも、これらの費用は支払わなければならず、自己責任が伴います。

5. 業務提携案件やリーズを成功させるポイント

これらの手法をうまく活用するためには、いくつかの重要なポイントがあります。


(参考コラム)【FP/生命保険営業】リーズ案件の初回面談でうまくいくためのポイント4選

商談スキルを高めることが鍵

業務提携案件やリーズを成功させるためには、何よりもFPとしてのスキルが求められます。単に商品を売るだけでなく、お客様のニーズを深く理解し、適切な提案を行うためのヒアリング力や問題解決力が不可欠です。さらに、プレゼンテーション力やコミュニケーション能力も重要で、お客様との信頼関係を築くことが成功の鍵となります。

特に、生命保険の営業活動に慣れている方にとっては、提携案件やリーズで担当するお客様の属性や思考が従来のお客様とは異なる場合が多いことを認識する必要があります。従来の紹介営業とは違い、お客様がFPに求める期待や解決したい問題が多様化しているため、案件に応じたコンサルティング能力を高めることが重要です。


(参考コラム)リーズのお客様にNISAの相談をされたら、FPとしてどのように回答するのがベスト?成功者の例からご紹介

成功している人に学び、トレーニングを受ける

業務提携案件やリーズには、それぞれ独自のノウハウや成功法則があります。根本的には如何に初対面のお客様のニーズを把握し、信頼を得るのかということですが、簡単そうに思えてここがとても難しいポイントでもあるので、独力でやってもうまくいかないことがあります。先述した通り、ご紹介営業とも異なったスキルが必要です。そのため、業務提携案件やリーズ案件でうまくいっている人に教わるのが一番早い可能性があります。

業務提携案件で成果を上げているファイナンシャルプランナー(FP)個人、FP会社や生命保険代理店は、定期的なトレーニングや研修を通じてスキルを磨いています。例えば、提携先とのコミュニケーション方法や商談の進め方、成約率を向上させるトークスクリプトなどが存在し、それを徹底的に活用しています。

もし、業務提携案件やリーズで成果が思うように出ない場合、自己流でのアプローチに固執せず、うまくいっている人のやり方を参考にするのが近道です。例えば、成功しているFPやトレーニングプログラムに参加することで、他の人が実践している効果的な方法を学ぶことができます。外部の専門トレーナーによる研修を受けることも有効な手段です。

逆に、案件がうまくいかないと感じ、成果が出せない理由を案件の質やお客様の特性に求めるだけでは、売上やスキルアップの機会を逃してしまいます。成長を続け、常に改善を追求する姿勢が、業務提携案件やリーズでの成功につながります。

自分に合ったスタイルを見つけること

業務提携案件やリーズを成功させるためには、自分自身に合った営業スタイルや働き方を見つけることが重要です。全ての案件が自分に合っているわけではなく、案件ごとの特性や自分のライフスタイルとの相性も考慮する必要があります。例えば、個人営業に強い方やコミッション支給率の高いFP会社、生命保険代理店に所属している方はリーズ案件を中心に取り組むことで成果を上げやすいかもしれませんし、一方で費用負担をストレスに感じる、活動量が多いことが苦にならない方は業務提携案件を軸に安定した活動が合っているかもしれません。

また、働く場所や時間、プライベートとのバランスも重要です。リモートで働く場合や地方での生活を考えている方にとって、柔軟な働き方が可能な案件は大きな魅力となります。売上目標や個人の目標に合わせて、どの程度業務提携案件やリーズを活用するかを調整し、自分に最適なスタイルを見つけることが、FPとして長く成功するための鍵となります。

6. まとめ

業務提携案件やリーズは、ファイナンシャルプランナー(FP)や生命保険営業マンにとって、これからますます重要な役割を果たしていく可能性があります。特に、デジタル化が進み、リモートワークや柔軟な働き方が広がる中で、これらの手法をうまく活用することで、より自由で効率的な営業活動が可能になります。個人で顧客開拓できることが一番理想的と考える人もいる一方で、業務提携案件やリーズ案件があることで営業活動の幅が広がると捉えることもできます。こういった案件をうまく使いこなせるかどうかは最終的には個人次第です。自分の営業スタイルに合った手法を見つけ、適切に活用することで、今後のFP業界において成功を収める可能性が高まることにつながることを願っております。

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FP Wanted!編集部

コラムを書いた人

FP Wanted!編集部

MBA (経営管理修士) / 宅建士 / FP2級

資産運用や保険相談で活躍するFPの求人・転職サイト「ファイナンシャルプランナーWanted!」を運営。業界経験者、未経験者にとって参考になるFPのお仕事情報を配信中。キャリア相談、転職相談も随時受付中。また一般の方には全国のFPの中で特に優秀なFP、専門分野に強いFPの紹介サービスも実施中です。

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