FP/保険営業のためのやさしい相続解説(2)法定相続分の基礎知識を抑えよう

FP Wanted!編集部

公開日2025年01月08日

更新日2025年01月23日

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このコラムの内容

2/7投資用不動産セミナー

1.法定相続人と法定相続分の基礎知識

相続の基本的な仕組みを理解しよう

相続について学び始めるファイナンシャルプランナーや保険営業にとって、最初の関門となるのが「法定相続人」と「法定相続分」の理解ではないでしょうか。これらの知識は、相続実務の基礎となる重要な部分です。今回は、相続の発生から遺産分割の流れ、法定相続分までを確認していきましょう。

相続発生時の2つの選択肢

相続が発生した場合(ex.父親が死亡)、財産の分け方には大きく分けて2つのパターンがあります。遺言書の有無によって進め方が異なってくるため、最初にどちらのケースに該当するのかを確認する必要があります。

A.遺言書がある場合

故人が遺言書を残している場合は、その内容に従って遺産分割を進めていきます。これを「遺言による遺産分割」と呼びます。遺言書の内容が法定相続分と異なっていても、原則としてこの内容が優先されます。ただし、遺留分に関する規定には注意が必要です。

(相続における遺留分とは、亡くなった人の兄弟姉妹以外の法定相続人に最低限保障されている遺産の取得分です。遺族の生活を保護することを目的としており、遺言書の内容に関わらず取得することができます。遺留分についてはまた別のコラムで解説していきます。)

B.遺言書がない場合

遺言書がない場合は「遺産分割協議」という方法で遺産分割を行います。相続人全員が話し合いを行い、誰がどの財産を相続するかを決めていきます。この協議の際に重要となってくるのが、法定相続分の知識です。

2.法定相続人の範囲を理解しよう

配偶者の特別な立場

配偶者は、他の相続人の有無に関わらず、必ず相続人となります。これは民法で定められた重要な原則です。ただし、以下のケースでは相続権は発生しませんので注意が必要です。

  • 離婚が成立している場合(調停離婚・裁判離婚を含む)
  • 内縁関係の場合
  • 婚姻届を提出していない事実婚の場合

親族の順位制度

配偶者以外の相続人については、以下の順位に従って決定されます。上位の順位に該当する人がいる場合、下位の順位の人は相続人とはなりません。つまり第2順位・第3順位の人が相続人になれるのは配偶者を除いて「自分より順位が上位になる人がいない場合」だけです。第1順位の人がいる場合、第2順位・第3順位の人が相続人になることはありません。

1.第1順位:子(代襲相続人を含む)

  • 実子、養子を問わず、すべての子が該当します
  • 子が既に亡くなっている場合は、その子の子(被相続人からみて孫)が代襲相続人となります
  • 代襲相続は、何世代でも継続します

法定相続分の計算例

配偶者と子が相続人の場合

  • 配偶者:2分の1
  • 子:2分の1(子が複数いる場合は人数で等分)

例えば、配偶者と子供2人の場合

  • 配偶者:2分の1
  • 長男:4分の1(2分の1÷2)
  • 次男:4分の1(2分の1÷2)

2.第2順位:父母

  • 子がいない場合に、配偶者と共に相続人となります
  • 父母それぞれに相続権があります
  • 片方の親が既に亡くなっている場合は、生存している親が相続人となります

3.第3順位:兄弟姉妹

  • 子も父母もいない場合に、配偶者と共に相続人となります
  • 兄弟姉妹が既に亡くなっている場合は、その子(被相続人からみて甥・姪)が代襲相続人となります
  • 兄弟姉妹の代襲相続は、甥・姪までで止まります(その先の世代には及びません)

3.法定相続分の重要性と活用

法定相続分の意義

法定相続分とは、民法で定められた相続財産の法定の取り分です。ただし、これはあくまでも目安となる数字であり、相続人全員の合意があれば、法定相続分とは異なる割合で遺産分割をすることも可能です。

実務における活用方法

「法定相続分」は保険営業やFP実務において、法定相続分の知識は以下のような場面で活用できます。

  • 相続対策の提案時の基準値として
  • 生前贈与の計画立案時の参考数値として
  • 遺言書作成のアドバイス時の基礎知識として
  • 相続時精算課税制度の説明時の比較基準として

実務で相続の相談を受ける際は、以下の点に注意が必要です。

  • 法定相続分はあくまでも目安であることを説明する
  • 各家庭の事情や希望を丁寧にヒアリングする
  • 相続人間で不公平感が生じないよう配慮する
  • 必要に応じて税理士や弁護士との連携を検討する

4.法定相続を理解して保険営業に活用しよう

法定相続人と法定相続分の知識は、相続関連業務の基礎となる重要な要素です。特に保険営業やFP業務では、お客様の長期的な資産設計に関わる場面が多いため、この知識を確実に身につけておく必要があります。

また、実際の相続案件では、法的な知識だけでなく、家族間の関係性やお客様の想いにも配慮しながら、最適な解決策を提案していくことが求められます。法定相続分を基準としつつ、各家庭の事情に応じた柔軟な対応ができるよう、研鑽を重ねていきましょう。

次回は法定相続人の実際のケースについて、具体歴を交えて解説していきます。

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FP Wanted!編集部

コラムを書いた人

FP Wanted!編集部

MBA (経営管理修士) / 宅建士 / FP2級

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