FP/保険営業のためのやさしい相続解説(5)土地の評価はどのように行うのか、シンプルな方法をご紹介
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このコラムの内容
1.不動産の相続財産の評価額を簡単に把握しよう
お客様との相続税対策のご相談で、よくつまずいてしまうポイントをご存知でしょうか?そうです、不動産の評価額の把握です。土地やマンション、はたまた田畑をお持ちのお客様と話をする際、「この不動産が相続財産としていくらになるのか」というポイントで会話が止まってしまうことも少なくありません。 また、このような時にスラッと話ができるかどうかで、専門家としてのプロ感が出てきます。
今回は、私たち保険の専門家やファイナンシャルプランナー(FP)が相続のご相談を受ける際に、相続財産の概算を簡単に把握できる方法をご紹介させていただきます。
評価額把握の重要性
不動産の評価額は、相続対策の大きな軸となります。概算であっても評価額を把握できることで、お客様へより具体的な提案が可能になりますよね。ただし、ここでご紹介する方法はあくまでも目安としてお考えください。実務では、税理士の先生と連携しながら、より正確な評価額を算出していくことをお勧めいたします。
また、被相続人(=亡くなった人)と同居の親族がいる場合などは小規模宅地の特例が適用され、下記の算出方法から相続税評価額を大幅に減らせることがあります。小規模宅地の特例については次回のコラムを参照してください。
2. 住宅地における評価額の算出方法
10:8:7の法則
住宅地の評価額を簡単に把握する方法として、「10:8:7の法則」というものがあります。これは路線価地域(=主に住宅地域)の物件に適用できる便利な計算方法なんです。
どのあたりが便利かというと、固定資産税評価額は、納税通知書の課税明細書や固定資産税評価証明書で確認できますので、そちらから逆算することで相続税評価額が把握できるということです。
この固定資産税評価額は、都税事務所や市区役所又は町村役場から通知される固定資産税の「納税通知書」に記載されている「課税明細書」や、固定資産税評価証明書で確認することができます。
お客様が書類を紛失されていた場合は、固定資産税評価証明書は、対象の固定資産がある市区町村の窓口や郵送で取得できます。一部の自治体では、コンビニ交付や電子申請にも対応している場合があります。
取得には、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など)が必要になります。また、本人以外が取得する場合は、証明書を取得する権限があることを示す書類も必要です。
(国税庁HP参照)
具体的な計算方法
具体的には以下のような関係性になっています。
- 実際の売買価格を100%とした場合
- 相続税評価額は約80%
- 固定資産税評価額は約70%
実践的な計算例
例えば、固定資産税評価額が7,000万円の土地があったとします。この場合、10:8:7の法則を使うと:
- 相続税評価額 ≒ 8,000万円
- 実勢価格 ≒ 1億円
と概算することができます。
注意点
ここで一つ重要な注意点があります。この10:8:7の法則は、住宅地では比較的高い精度で当てはまりますが、商業地については異なる場合が多いんです。商業地の場合、相続税評価額や固定資産税評価額が、この法則から大きく外れることもありますので、ご注意ください。
3.農地の評価額算出法
倍率方式について
田んぼや畑などの農地の場合は、「倍率方式」という別の計算方法を使います。こちらも実は意外とシンプルな方法なんです。
具体的な計算手順
- 国税庁ホームページの路線価図で対象地域を確認
- その地域(市町村)の倍率を確認
- 固定資産税評価額に倍率をかける
例えば、固定資産税評価額が3,000万円の農地で、倍率が1.2倍の地域であれば、
3,000万円 × 1.2 = 3,600万円
という形で相続税評価額を算出することができます。
実務での活用ポイント
これらの計算方法を知っておくことで、お客様との初期相談の段階で、ある程度の相続財産規模を把握することができます。そうすることで、より具体的な相続対策の提案へとスムーズに話を進めることができるのではないでしょうか?
お客様に寄り添った相続提案をするためにも、まずはこれらの計算方法を実践で使ってみてください。きっと、お客様との会話がより深いものになっていくはずです。
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