【保険営業/FP】見込み顧客開拓のコツ④ハウスメーカーとの提携/住宅FPにチャレンジ
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このコラムの内容
1. ハウスメーカー(住宅メーカー)からFP相談案件紹介の可能性
こんにちは、保険業界で長年キャリアを積んできたFPの立場からお話しします。「見込み客を見つけるのが本当に難しい…」そう感じている保険営業やファイナンシャルプランナーは決して少なくありません。
新規顧客の開拓は、多くの営業職が直面する最大の課題です。しかし、効果的な戦略さえつかめれば、安定した仕事と収入を得ることができるのも事実。今回は「ハウスメーカーとの提携」という切り口から、見込み客開拓の可能性をご紹介します。
2. ハウスメーカーの営業との提携が持つ潜在力
ハウスメーカーの営業は、毎月驚くほど多くの潜在顧客と接しています。毎月のように展示フェアなどを通じ、新規の見込み顧客と会っています。彼らは住宅販売という大きな人生の転換点で顧客と向き合っているため、絶好の顧客接点を持っているのです。
しかし、多くのハウスメーカー営業が直面している悩みがあります。せっかく住宅を気に入ってもらっても、顧客が「本当に買って大丈夫だろうか」「お金の計画は大丈夫なのだろうか」と不安になり、最終的な購入を躊躇してしまうケースが少なくないのです。また展示場を訪れるお客様にも一見さんが多くいたり、本当に真剣に住宅購入する気はあるのか、予算はあるのか、住宅を建てるための土地は既にあるのかなど、分からないことが良くあります。見込み顧客との接触人数は多いのですが、自社にとって本当にお客様になってくれる人を見極めることが難しかったり、見込み顧客と有効な信頼関係を築いていくことに課題を抱えています。
この課題は、ファイナンシャルプランナーと非常に相性が良いポイントです。多くのハウスメーカーはあらかじめ提携FP会社を決めているわけではなく、営業個人の裁量に任されていることが多いのです。つまり、個人的な信頼関係を築くことができれば、顧客紹介の可能性が開けるのです。
3. ハウスメーカー営業とFPはwin-winになれる
ハウスメーカーの営業とファイナンシャルプランナーはwin-winの関係になれる可能性が大いにあります。下記にハウスメーカーの営業の実情や抱えている課題、ニーズについて記載します。
お金の知識がない
多くのハウスメーカー営業は住宅設備や補助金、住宅ローンには詳しいものの、顧客の人生設計やライフプランニングについては深い知識を持っていないのが現状です。
彼らは「物(家)を売る」ことを専門とするため、顧客の長期的な人生設計や資金計画までカバーできていないケースが多いのです。例えば、教育資金や老後資金とのバランスを考慮した住宅予算の提案など、専門的なシミュレーションは苦手としています。
アポイントを繋ぎたい
見込みのお客様とは何度も面談を繰り返しているうちに信頼関係が増していく、いわゆるお会いする回数が多いほどお客様との関係が濃くなると言うザイエンスの法則については皆様もご存知でしょう。同じようにハウスメーカーの営業も見込みのお客様とは何度もお会いしたいと言うニーズを持っています。このような時ファイナンシャルプランナーの住宅購入相談を提供することで、アポイントの回数が増やせると言う事は、ハウスメーカーの営業にとって非常に大きなポイントとなりえます。
見込み顧客を選別、関係構築したい
先述したようにハウスメーカーに物件を見に来るお客様の中にも、見込み度の高いお客様、低いお客様などいろいろな属性の方が混在しており、ハウスメーカーの営業もその中から自社にとって良いお客さんを選別したい、そしてそういったお客様に対して営業を注力していきたいと言うニーズを持っています。特に住宅は1年に10棟販売できればかなり社内で評価されると言う世界なので、ハウスメーカーの営業にとってはどのお客様に自身の営業の時間を割くかという事は非常に大きな問題なのです。また住宅を購入する意思や予算があるお客様であっても、自社との関係を構築していく、いわゆるお客様との関係構築において、ファイナンシャルプランナーが提供するFP相談は有力なツールとなり得るのです。
お客様の本音が聞きたい
販売サイドであるハウスメーカーの営業にはなかなかお客様も本音を話さないということも、ハウスメーカーの営業が抱える課題の1つです。お客様も「販売される」と言うことに対しては警戒をするものなので、なかなか考えていることや気になっていること、どのあたりが住宅購入に際してボトルネックになっているかという本音は住宅営業に伝えられない方も多くいらっしゃいます。そのような時、お金の相談家の相談をお客様に寄り添った立場から提供できるファイナンシャルプランナーに対しては、お客様も本音を話してくれることがよくあります。その情報をそのままハウスメーカーの営業に共有する事は倫理違反かもしれませんがハウスメーカーの営業にとってヒントとなるような情報提供をすることで、頼りにしてもらえる可能性があります。
4. ハウスメーカーからFP相談案件紹介を受ける作戦
ハウスメーカーへのコンタクトから、勉強会の開催が重要なアクションになってきます。
中長期的な関係構築や価値提供がご紹介獲得のためのポイントです。
住宅購入時にしっかりした資金計画を作成し、お客様に安心して住宅を購入できるようになってもらうことは、極めて重要な課題です。この観点から見たとき、ほとんどのハウスメーカーの営業がこの領域で深刻な課題を抱えているということは、ファイナンシャルプランナーにとって、またとないビジネスチャンスと言えるでしょう。
具体的な業務提携に向けたアプローチとして、以下の戦略が有効です。
1. 直接会話する準備
ハウスメーカーの営業所を訪問し、案件紹介まで繋げる際には、単なる名刺交換や紹介依頼に終わらない、具体的な価値提案が求められます。事前に以下のポイントを徹底的に準備しましょう。
- 事前調査:訪問先のハウスメーカーの特徴、主な顧客層、販売エリアなどを綿密に調査します。単に一般論ではなく、その会社に特化した提案を用意することが重要です。
- 課題仮説の構築:ハウスメーカーの営業が直面している具体的な課題を想定し、それに対するソリューションを準備します。例えば、成約率の向上、顧客の不安解消、長期的な顧客リレーション構築など、営業担当者の悩みに寄り添う提案が求められます。
特に、名刺交換、営業だけではなく、勉強会の実施までできるかどうかは大きなポイントです。
2. FP相談の価値の明確化
ハウスメーカーの営業にとって魅力的な提案とは、単にFPの専門性をアピールすることではありません。顧客視点に立った、具体的な付加価値を示すことが最も重要です。
- 顧客紹介プロセスの明確化:どのように顧客を紹介し、どのようなメリットがあるのかを具体的に説明します。
- リスク分析と安心感の提供:住宅購入における経済的リスクを分析し、顧客に安心感を与える方法や具体例を提示します。
- 実績に基づく提案:過去の成功事例、顧客満足度、具体的な資金計画のシミュレーションなど、数字と事例に基づいた提案を準備しましょう。
5.勉強会開催の具体的手順
ステップ1:初回面談
まず、ハウスメーカーの営業所長や担当マネージャーとの面談を設定します。この際のポイントは:
- FPの専門性の簡潔な説明
- ハウスメーカーの営業課題へのソリューション提案
- 顧客メリットの明確な提示
- 実績の紹介
特に住宅相談案件の実績やハウスメーカーへの顧客紹介実績があると、説得力が増すでしょう。
ステップ2:勉強会の企画と提案
FPがハウスメーカーの営業に教える具体的な内容
1. 住宅購入時の資金計画の重要性
- 頭金準備の具体的なシミュレーション
- 住宅ローン選びのポイント
- 税制優遇の活用方法
2. ライフプランニングの基本
- 教育費の事前準備
- 老後資金との両立
- リスク管理の観点からの住宅投資の考え方
3. 顧客の不安を解消する具体的手法
- ファイナンシャルリスク分析
- 世帯収支のシミュレーション
- 将来予測に基づくアドバイス
ステップ3:勉強会の具体的な進め方
勉強会の構成例
1. オープニング(30分)
- FPの自己紹介
- ハウスメーカー営業の課題ヒアリング
2. セミナー形式(60分)
- 住宅購入に関する資金計画のプレゼンテーション
- 具体的な事例紹介
- Q&Aセッション
3. 個別相談タイム(30分)
- 営業の方、個別の疑問対応
- 今後の連携可能性探索
ステップ4:注意点とフォローアップ
- 押し付けがましくならない
- 具体的な数字と事例を重視
- 継続的なコミュニケーション
- 半年〜1年の長期的視点
このアプローチにより、ハウスメーカーの営業との信頼関係を構築し、Win-Winの関係を目指すことができます。単なる営業紹介依頼ではなく、真に顧客の役に立つソリューションを提供する姿勢が重要なのです。信頼関係は一朝一夕には築けません。長期的な視点で、以下のような取り組みが重要です。
ハウスメーカーとの業務提携は、単なる顧客紹介ビジネスではありません。真の価値は、顧客の人生の重要な決断をサポートし、安心と将来への希望を提供することにあります。粘り強く、誠実に、そして専門性を磨き続けることが、成功への道です。
6. ハウスメーカーからFP相談獲得のためのポイント
ハウスメーカーの営業と良好な関係を構築するためのポイントをいくつか挙げます。
1. 分かりやすいライフプランニングの説明
顧客に「おすすめできる」と思ってもらうためには、具体的な事例を交えながら、専門性の高さを示すことが大切です。実際に住宅購入に成功した顧客の事例は、信頼を得る上で非常に効果的です。
2. 継続的なコミュニケーション
すぐに案件が舞い込んでくるわけではありません。半年、場合によっては1年以上かけて根気強く関係を築いていく姿勢が重要です。
3. 互恵的なアプローチ
「返報性の原理」を意識しましょう。ハウスメーカーに顧客を紹介するなど、相互にメリットのある関係性を構築することで、信頼関係が深まります。
(参考)【保険営業/FP】見込み顧客開拓のコツ①「返報性の原理」について学ぼう。具体的事例も掲載!
4. 相手の立場や営業プロセスの理解
単にFPの視点だけでなく、ハウスメーカー営業の営業プロセスや必要な情報、彼らが直面している課題を理解することも重要です。特にハウスメーカーの営業マンが同業者出身のファイナンシャルプランナーに案件を依頼しやすいと感じるのは、自分たちの営業プロセスをよく理解してくれているからと言う点が挙げられます。この点については必ずしもあなたがハウスメーカーの出身ではなくても、ハウスメーカーの営業の営業プロセスや必要な知識を勉強することで十分に賄うことが可能です。
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今回はハウスメーカー(住宅メーカー)との業務提携の可能性や具体的手法についてご説明しました。今回記載したような情報が皆さんのキャリアを向上させていくことにつながるものだと嬉しいです。
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